グラス越しの風景：カン・フェイセス

Firadisとワイン生産者が所有する膨大な画像アーカイブの中から毎週1枚をピックアップし、その風景や人物にまつわるワインの話をショートコラムで書いていきます。
さて、最初の1枚は「選果」の風景を選んでみました。 収穫したばかりのブドウをコンベアーで仕込み室に運ぶ前に破裂した粒や未熟な粒を取り除き、最良のブドウだけをワインとするための仕分け作業です。

写真の右手奥側の男性に注目してください。 取り除くべき粒のある房をピックアップし、 その房から不要分を鋏で切り取っていく作業をしているのが分かると思います。 今写真で見えているだけでもかなりの房数が見えますが、 奥にはまだこれから仕分けする果房が控えていますよね。 この細かい手作業を、選果担当者は収穫期間中ひたすらやり続けるわけです。

そして、手前の男性はブドウの粒を口に運んでいますね。 これはつまみ食いをしているわけではなく（・・・もしかするとつまみ食いなのかもしれませんが）、 果実の状態を適宜チェックし、「取り除くブドウの基準を設定するための検食」をしているところですね。

自分たちが目指す理想のワインに適したブドウだけを選び取るため、 ワイナリーでは今も細やかで厳しい選別作業が人力でされているのだ、 というのを見て戴くための写真でした！

ということで今日は最後にこちらの写真を提供してくれたスペインのワイナリー、 『カン・フェイセス』のワインをご紹介！！ ↓↓↓

『カン・フェイセス』は、1768年に創業されたスペイン随一のシャルドネ・スペシャリスト。
シャンパーニュのミレジムのように「良年しか白ワインを仕込まない」という徹底した品質追及で、 1768年からの長きに渡ってワインを造り続けてきた生産者です。 その濃厚で熟成感に満ちたシャルドネは、 例えば『アナヨン・シャルドネ』の上級版、とでも言ったら伝わりやすいでしょうか。

今のスペインは確かに新興勢力・・・新進気鋭の若手ワインメーカーに注目が集まりがちですが、 この地で古くから凄いワインを造り続けてきた職人たちも確かに存在しています。 彼らの礎なくして、今のスペインワインの世界的隆盛は決して成し得なかったはず。

温故知新のこの生産者、Firadis WINE CLUBでは入荷数量は決して多くありませんが、 丁寧に推し続けていきたいと思っています。

≪アナヨン・シャルドネが気に入っている方・・・是非一歩前に進んでこのワインを手に。≫

『カン・フェイセス　シャルドネ 』。
（スペイン / ペネデス産白ワイン
ブドウ品種：シャルドネ100% ）

≪そして注目の赤は、4品種を組み合わせたエネルギッシュでスパイシーなパワフル赤！≫

『カン・フェイセス　ネグレ・トラディシオ　』。
（スペイン / ペネデス産赤ワイン
ブドウ品種：メルロー 37%、テンプラニーリョ30%、プティ・ヴェルド 20%、カベルネ・ソーヴィニヨン 13%
熟成：フレンチオークのバリック12ヶ月　新樽比率100％)