ワイン職人に聞く、10の質問【第9回】ドメーヌ・ド・ラ・バスティード(仏コート・デュ・ローヌ地方)

ワイン職人に聞く、10の質問【第9回】ドメーヌ・ド・ラ・バスティード(仏コート・デュ・ローヌ地方)
≪ひとりのワイン職人の頭の中を覗く一問一答インタヴュー!≫
『ワイン職人に聞く、10の質問』
第9回 ドメーヌ・ド・ラ・バスティード(仏コート・デュ・ローヌ地方) / 栽培醸造家 ベルナール・ボワイエさん

本日のワイン職人は仏コート・デュ・ローヌからグルナッシュ&シラーの安旨ワインを提供してくれる 『ドメーヌ・ド・ラ・バスティード』のベルナール・ボワイエさんが登場。

今回はとにかく、回答が届いた時の文章量に驚きました 笑
メールがびっしりと真っ黒になるほど綴ってくれたワイン職人の思い、 今日は余計な前置きは書かずにたっぷりとお読み戴きたいと思います。 翻訳はなかなか大変でしたが、本当に「職人の心」がひしひしと伝わってくる内容でしたよ!!

冒頭にも書きましたが、今日はもう僕の前置きは抜きにして即インタヴューの内容に入ります。 ベルナールさんへの10の質問、そして彼がひたすらに綴った答え、じっくりお楽しみください!

Q1:ワイン造りを一生の仕事にしよう、と決意したきっかけは何ですか?
⇒本当は、歴史の教師になりたかったんだ。だけど、ワインを造ることは僕の両親の長年の夢で、彼らがワイン造りの仕事に情熱を傾け、 そして楽しんでいるのをずっと見てきた。 だから自然と、自分もこの仕事を受け継いでいこうと決心できたんだ。 自然の中で働くのも好きだし、この仕事を選んで良かったと心から思うよ。

Q2:これまでワインを造ってきて、一番嬉しかった瞬間は?
⇒2つあるかな。
ひとつは…ある時畑にいて、そこに様々な生物が多様性を持って共生していることを感じた時。 僕のやっている畑仕事は、生命の未来を紡いでいると感じたんだ。
もうひとつは、その年の仕込みが終わって出来上がったワインを最初に試飲して、思った通りの味になっていた時。 自分のやってきたことの正しさを感じて、そして僕のワインが誰かを喜ばせることが出来ると確信できるから

Q3:その反対に、一番辛いときは?
⇒これも同じように2つ。
ひとつはやっぱり、自然災害でその年の収穫を失ってしまったとき。 そこから1年、また次のチャンスが到来するのを待たねばならないから。
そしてもうひとつは、さっきと反対に仕込んだワインが思い通りの味でなかったとき。 僕のワインが誰かを喜ばせることができる瞬間が、これまた1年も先になってしまうんだから!

Q4:ワイン造りで最も「決め手になる」のは、どの工程だと思いますか?
⇒たぶん皆がこう答えると思うけど、良いブドウを造ることに尽きるよ。 それぞれの品種・区画のブドウのポテンシャルを徹底的に知り尽くすことで、 そのブドウをどうやって、どんなワインにするのが最適か分かって、そして全ての製造工程で自分が選ぶべき選択肢が明確に見えるんだ

Q5:あなたにとっての「理想のワイン」とは?
⇒とても難しい質問だね・・・
僕は、「理想のワイン」というのはいつも同じだとは思わない。 ワインを飲む時、場所、状況によってがらりと変わるから。 だから、世界中にこれだけ様々なスタイル・味のワインがあって、 それぞれが飲む人に歓びを与えてくれるんだと思う。 だから僕の理想のワインは、常に変化しているよ。 毎日妻と二人で飲むワインだって、その日の夕食の内容や天気によって理想的なものは変わるしね。

Q6:今までに飲んだ中で最高のワインを1本だけ選ぶとしたら?
⇒これもすごく難しい質問、沢山あって選びきれないよ 笑
最近の記憶に新しいところでは、 姪っ子の20歳の誕生日に飲んだ『シャトー・ランシュ・バージュ 1998年』は本当に素晴らしかったな。 自分のワインだと『グロワール・ド・モン・ペール 2009年』。 このキュヴェのファーストヴィンテージなんだけど・・・ 自分で造ったのに、あまりにもおいし過ぎて驚いたよ!!

Q7:自分のワインと料理、これまでに一番マリアージュしたと思った組み合わせを教えてください。
⇒そうだな、まずふつうの「コート・デュ・ローヌ」なら、ピザとかパスタ、後は豚肉の料理。 アジア風の料理も良く合うと思った。
「コート・デュ・ローヌ ヴィラージュ・ヴィザン」だったら、少し濃い味の肉料理。 しっかりとしたソースの味付けがあると良いかな・・・醤油味もいいね。 「グロワール・ド・モン・ペール」は樽の印象があって複雑な味わいなので、 ジビエや内臓系の料理、塊肉をしっかり焼いてソースたっぷり、も最高だよ。

Q8:もしあなたが他の国・地域でワインを造れるとしたら、どこで造ってみたいですか?
⇒この質問への答えは、3つの方向性から考える必要があるかな。
僕がワインを造りたい場所の条件は、 ひとつめに「自分の好きなタイプのワインが造れる場所」、 ふたつめに「好きな国であること」、そして最後に「じぶんの好きな気候であること」。

好きなワインのタイプと気候で選ぶなら、暖かく太陽に恵まれた場所で、 濃厚でフルーティ、複雑実のある赤を造れるオーストラリアのバロッサ・ヴァレー。 「好きな国であること」で選ぶのなら、その歴史が魅力的なイタリアのトスカーナ。 でも結局はコート・デュ・ローヌかな・・・フランスはワイン造りの規制や事務手続きが面倒くさいけどね 笑

Q9:あなたの「ワイン造り哲学」を、一言で表現してください。
⇒自然を敬い、飲んでくれるお客さんを敬い、そして自分自身を敬うこと。 自分の造ったワインのグラス一杯一杯が、お客さんの笑顔につながっているんだ、と思い続けること。

Q10:最後に・・・日本にいるあなたのワインのファンに、メッセージを!
⇒日本は、本当にヘルシーで豊かな食文化を持つ国だと思っています。 だからそこには、様々な料理と世界中の様々なワインが出会い、新たなマリアージュを発見するチャンスがある。 先入観にとらわれることなく、色々な組み合わせにトライしてみてください!

今週の『ワイン職人に聞く、10の質問』如何でしたか??
それにしてもたっぷりと書いてくれました。 普段は寡黙な方なんですが、やはり文章となるとハートの熱さが出るものですね。 常に飲んでくれる人を思い浮かべてワインを造っているという彼の実直さと誠実さ、 ワインから皆さんに伝わってくれると良いな、と思います。

彼が情熱を傾けた3本のワイン、是非試してみてくださいね。
彼がそれぞれのワインにおススメしてくれた料理も是非ご参考に!

≪肉じゃがや醤油味の煮込みに合う赤ワイン!≫

ドメーヌ・ド・ラ・バスティード コート・デュ・ローヌ 2017年

『ドメーヌ・ド・ラ・バスティード コート・デュ・ローヌ』
(フランス/コート・デュ・ローヌ産赤ワイン
ブドウ品種:グルナッシュ種50%、シラー種30%、カリニャン種20% / 熟成:コンクリートタンク6ヶ月熟成)

≪こちらも甘辛たれ系の和食にぴったりくる、濃厚柔らかコート・デュ・ローヌ!≫

ドメーヌ・ド・ラ・バスティード コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・ヴィザン 2017年

『ドメーヌ・ド・ラ・バスティード コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・ヴィザン』
(フランス/コート・デュ・ローヌ産赤ワイン
ブドウ品種:シラー種45%、グルナッシュ種35%、ムールヴェドル種20% / コンクリートタンク&バリック8ヶ月熟成)

≪CLUB30一番人気ローヌ・シラー≫

ヴァンサン・ボワイエ グロワール・ド・モン・ペール コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・ヴィザン 2017年

『ヴァンサン・ボワイエ グロワール・ド・モン・ペール コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・ヴィザン 』
(フランス / コート・デュ・ローヌ産赤ワイン ブドウ品種:シラー95%、グルナッシュ5%
熟成:コンクリートタンクで8カ月)

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!
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