ワインペアリング奮闘記 第172回 海鮮トマト鍋におすすめ白ワイン / ヴィノジア ファランギーナ
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海鮮トマト鍋におすすめ白ワイン
今回の課題はヴィノジア ファランギーナです。
イタリア、カンパーニャ州の白ワイン。品種はファランギーナ。イタリアの地ブドウは歴史の古いものが多いですがファランギーナはカンパーニャ最古の白ワイン品種、そしてカンパーニャ州自体がイタリア最古のワイン産地と言われています。一体どれだけ古いんだというと、ローマ時代には既に栽培が行われていたそうです。つまりファランギーナの白ワインは紀元前から人々に愛されて来たという途方もないお話ですね。
ただし、ローマ時代のワインは混ぜ物が多く純粋とは程遠いもので、クオリティ面では現代のものとは比べものになりませんでした。こちらのワインの生産者ヴィノジアは2003年創業の若いワイナリーで、造りはモダンで、クリーンそのものです。
では、早速テイスティングしていきましょう。ヴィンテージは2021年です。
テイスティング
色調はクリアな淡いイエローで少しグリーンがかっています。グラスの底には微発泡が見られました。
グラスに注ぐとフルーティでフレッシュな、青リンゴや洋梨、ちょっとフーセンガムっぽい、ふんわりと軽やかな香りが上がってきます。さらにグラスを回すと、チョークのような石灰っぽい香りも出てきました。
口当たりは滑らかで、香りの印象と違わずフレッシュなリンゴっぽい果実味。第一印象としては、ドライにまとまっていますね。
アルコールのボリュームはしっかり。ミドルからはチョーキーなミネラル感があり、アフターの苦味はあまり強くなく、余韻は程よくさっぱりといった所です。
全体的にフレッシュ・フルーティでバランスの良い、そして飲み応えもちゃんとある。飲みやすくて食事に合わせやすそうな、優秀なイタリアの白ワインだと思います。
合わせる料理『海鮮トマト鍋』
フレッシュな酸味やミネラルの印象からも魚介類がストライクだと思いますが、豚肉など軽めの肉をあっさり調理したものでも全く問題ないと思います。
フルーティなワインなので、トマトの酸味とも合いそうですね。
リーズナブルな白ワインでもあるので、日常的に簡単に作れる料理ということで、今日は海鮮トマト鍋を作っていきましょう!
レシピ
突然ですが、最近野菜クズでスープを取るのが気に入っています。材料に使う玉ねぎやニンニク皮、白菜の芯に、パセリの茎、人参のヘタなど、予め40分ほど煮てから濾すと、綺麗な黄金色のブロードが取れます。
ここに、昆布とカツオの合わせ出汁を足して、塩味を整えて今回の鍋の汁とします。
面倒な方は普通に昆布出汁のみとか、白だしを使っても大丈夫です!
トマトソースを作ります。
スライス玉ねぎを香ばしさが出るまで炒めて、ニンニク微塵切りを足し、トマト缶を加えて煮詰めます。
具として入れるベーコンはフライパンで熱を通して脂を除いておきましょう。
土鍋にトマトソースとスープを入れて、湧いてきたら白菜、あさり、エビ、タラ、と順に煮ていきます。最後にベーコン、隠し味のサフラン水と、春菊、ミニトマト、微塵切りのパセリと加えて、出来上がり!
ちょっと洋風に寄った、海鮮トマト鍋です。
ペアリングレポート
【総合評価】 星4つ:★★★★☆
【評価ポイント】
○海産物のミネラルとファランギーナの石灰のニュアンスが相乗
○トマトと白ワインのフルーティーが同調
○締めのリゾットが最高!
△もう少しソルティなミネラルをもった白ワインだと、さらに合うかも!
とても白ワインフレンドリーな鍋なので、このワインじゃなきゃ!というものは無いですね。
ミュスカデやシャブリ、ピクプール、ソアーヴェ・クラシコなどなど、色々な白ワインが合いそうですね。ロゼでも。
この冬はいろんな白ワインと海鮮鍋のペアリングを試してみたいと思います!
(西岡)
今回のペアリングワイン:
今回の課題はヴィノジア ファランギーナです。
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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