コンビニ惣菜ペアリング道 第21回「ジョンソンヴィルのソーセージにいちばん合うワインは何だ??」
- 2021.09.20
- コンビニ惣菜ペアリング道
コラムシリーズ「コンビニ惣菜ペアリング道」、2か月ぶりの第21回です。
コンビニなどのお店で売っている市販のおつまみやレトルト食品などで何の手間もかけずに色々なワインペアリングを楽しんじゃおう!というちょっとズボラなペアリングチャレンジ企画です。
それではまず、今回初めてこのシリーズを目にされた方にまずご説明しておきますね。
コラムのタイトルは「コンビニ惣菜ペアリング道」とはしているものの、その他のスーパーさんや輸入食材店、飲食店のテイクアウトも含め「お手軽に手に入る、調理しなくて良いおつまみ」なら何でもペアリングチャレンジのテーマにしています。これまで20回分の記事はすべてアーカイブ掲載してありますので、是非これまでのチャレンジ結果も見てみてください。
これまでのシリーズアーカイブはこちらから!B級グルメとのペアリングも色々やっております。
↓↓↓
https://firadis.net/column/category/souzai-pairing/
それでは今回のコラムテーマ・・・実はこの第21回目は当初「鶏の唐揚げ」の予定で、僕自身も既に唐揚げ専門店(からやま、から好しなど)やお惣菜店、大手居酒屋チェーンのものまで6~7回のペアリング実験を繰り返してきたのですが・・・未だベストなペアリングに到達出来ておらず検証を継続中の段階。ですので、こちらについてはもう3-4回の実験を実施させて戴き、その後にレポート化しようと思います。
いやはや、唐揚げ、奥深いです。僕には今のところ「これぞ完璧な唐揚げマリアージュ!」という回答が見つかる気が全くしておりません 笑。
まあ、見つからないからひたすら何度も繰り返す、というのを実は一番楽しんでいるのかもしれません。
ということで急遽用意した代わりのテーマはこちら!
『ジョンソンヴィルのソーセージにいちばん合うワインは何だ??』
ハム、ソーセージ、パテといった所謂「シャルキュトリー」のジャンルは、ワインに合わせるおつまみとしてはもっとも手軽で手間のかからないジャンル。飲んでいる最中におつまみが足りなくなっても、生ハムやパテならそのまま、ソーセージもレンジでチンすればボイルできてしまうので、これほど手抜きできる時短おつまみはありません。しかも、塩気・脂っぽさがしっかりあるので味わい的にもワインと合わせやすい。ズボラなワイン好きとしては、緊急時の補給物資として冷蔵庫に数種は常備ですね。
今回はその中でも、スーパーのシャルキュトリーコーナーではそのサイズ感で圧倒的な存在感を発揮する『Johnsonville ジョンソンヴィル』をセレクト。一番の定番商品「ORIGINAL SMOKED オリジナルスモーク」をテーマに、僕が考えていた2つの「説」を試してみたいと思います。
それでは早速第一の「説」・・・「ソーセージなんだから、結局ドイツワインとの相性が最強説」!
『Johnsonville』は1945年に米国ウィスコンシン州に開業された小さな精肉店がルーツだそうですが、創業者ステイヤー夫妻は名前からもドイツ系の模様。オリジナルスモークのシンプルでクラシックな味わいはいかにもジャーマンソーセージ風・・・だったらやはりドイツワインを合わせてみるのが王道なのでは、と思いまずはこの説を試してみました。
僕がセレクトしたワインは、こちら!
『カール・ローウェン リースリング・クアント』 ドイツ モーゼル地方産白ワイン |
非常にバランスの取れたリースリング。ワインのページで僕がこのワインを紹介する記事に書いたテイスティングコメントは『もぎたて林檎のように瑞々しくシャキッとしたファーストタッチからスタート、徐々にじんわりと果実味・旨みが広がっていき、最後はフルーツの甘みをたっぷりと含んだ酸が綺麗に締める。何口飲んでも、その心地良い調和・まとまりは決して揺らぐことがありません。これぞドイツ・リースリングの強み、万能・万人受けの最強のまとまりです。』。
そう、スタンダードなソーセージなら、ワインも王道のバランス型ドイツが合うはず、という検証です。
(*本来でしたらソーセージの欠かせない相棒「ザウアークラウト」との相性にも触れるべきですが、今回はスペースの関係上ソーセージに限定して書かせて戴きます。しかし僕はザウアークラウトも大好物ですので、また別の機会に!)
このワインと、ボイルした『ジョンソンヴィル オリジナルスモーク』を合わせてみると・・・
予想通りの好相性!!!さっぱりしたリースリングの酸味がソーセージの脂っぽさを綺麗に中和してくれて、飽きずに何本でもいけちゃいそうです。更にここに粒マスタードをアクセントとして加えると、更に相性度UP。マスタードの香り、苦み×リースリングの香り、プチプチ粒マスタードとワインのクリスピーなテクスチュアがとても良く馴染んで、いかにもドイツ郷土料理なペアリングが完成しました。100点満点中、82-83点くらいは取れていると思います。
ちなみに、一緒に買ってきた『ジョンソンヴィル チェダーチーズ(とろけるチーズが中に入っているタイプ)』も合いましたよ。こちらも脂っこさがさっぱりして食べやすくなりました。
『ジョンソンヴィル チェダーチーズ』はこちら ↓↓↓
さて、ひとつめの「説」で十分に良くワインが見つかったから、これにて終了!とならないのがこのシリーズ。いつまでもしつこく100点を追い求めるからこそペアリング「道」なのです。
ということで第二の「説」は、こちら!
「そうは言ってもアメリカのソーセージ、米国人の味覚に合わせてあるのだからUSAワインの方が合う!説」。
1945年の創業から80年近く。当然、主要マーケットである米国の消費者の味覚を意識して、クラシックなジャーマンソーセージにも細かなチューンアップが加えられているのが当然。少し、甘さもありますしね。ですから今度は、アメリカでバカ売れしているワインを合わせてみる必要があるな、と思いました。
そこで選んだのがこちらの赤ワインです。
『マイケル・デイヴィッド・ワイナリー セブン・デッドリー・ジンス』 USAカリフォルニア産赤ワイン |
アメリカの土着ブドウ品種、ジンファンデル。パワフルで厚みのある果実感、ヴォリューミーな味わいが米国で大人気のこのブドウ品種において、このワインは何と全米NO.1の売上本数を誇る銘柄。全米が泣いた・・・ではなくおいしいと認めたこのワインと、あのしっかりした味わいのソーセージはきっと相性が良いはずです。
今回は、ボイルとグリルド(フライパンで3-4分炒めました)の2種類を用意して試してみます。この赤ワインは木樽を使って熟成させているので、少し焼いた感じの方がより風味の面で同調するかな、と思っての2タイプ検証です。
それでは実食・・・・・・・おお、これはおいしいですよ!!!特に、いや圧倒的に、グリルドが素晴らしい相性です。
濃い下味のついた詰め物の肉、豊かな脂身が、まずジンファンデルの濃密な果実の甘さとぴったり。リースリングだと「さっぱりして食べやすくなった、食べ飽きなくなった」というペアリングだったのが、ジンファンデルでは「料理とワイン、2つが組み合わさったことでより濃厚で複雑な味わいの料理に発展した」という印象です。
これぞ、ペアリング=マリアージュ、ですね。
グリルしたことで脂が適度に落ち、且つ少し焼き目が付いたのも良い効果。焼き目の香ばしい感じやカリッとしたクリスピー感と、木樽熟成によるビターな風味、しっかりしたタンニンが上手く重なり合っていました。
これは・・・89点くらいはあげても良いかな??自信を持ってお薦めできるペアリングですよ。
ちなみにボイルの方も十分に良く合ったのですが、やはり食感の面で焼き目が付いているほうがポイントは高いと思います(85点くらい?)。あと、粒マスタードはジンファンデルで合わせるときには必要ないかな、と思いました。2つの組み合わせだけで十分に味のアクセント・深みができ、お肉の味がしっかりと広がっていくので、敢えてワンポイントを加える必然性はありませんでした。
ということで今回の実験も無事終了。
結論としては、今回のペアリングもまたもや「土地のマリアージュ」のひとつだったのだな、ということ。その土地土地の味覚・食文化は、食べ物×お酒でシンクロニシティを生んでいるものなんですね。ルーツとなるものは安定的に合ってくる、そしてその土地に根付いてから加えられたアレンジにより、新たな食文化=ペアリング文化が生まれる、といったところでしょうか。
そう言えば、ケンタッキーフライドチキンにはやっぱりカリフォルニア・カベルネがバッチリ合ったんだよな・・・ということも想い出しました。
それでは今回はこの辺で・・・最後まで読んで戴いてありがとうございました!
次回第22回目こそは「唐揚げ」行ってみたいと思いますが、もしまだ結論が出なかった時は代替案として某人気輸入食品店のおつまみペアリング第2回をご用意しております。
どちらになるかお楽しみに!!
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