ワイン職人に聞く、10の質問【第53回】トラミン(イタリア トレンティーノ・アルト・アディジェ州)

ワイン職人に聞く、10の質問【第53回】トラミン(イタリア トレンティーノ・アルト・アディジェ州)

≪ひとりのワイン職人の頭の中を覗く一問一答インタヴュー!≫
『ワイン職人に聞く、10の質問』
第53回 トラミン(イタリア トレンティーノ・アルト・アディジェ州)
醸造家 ヴィリー・シュテルツさん *写真右

今回話を聞いた生産者は、北イタリアの多種多様なブドウ品種に取り組む人気生産者『トラミン』から、醸造責任者のヴィリー・シュテルツさん。
イタリアではかつて専門誌の「ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたこともある、まさに腕利きのワイン職人です。

ヴィリーさんが送ってきた回答の手紙はA4用紙に2枚びっしり・・・・
端折ることなく全体をお伝えするためには、僕の余計な前置きはやめておいたほうが良さそうですね 笑

世界各地のワイン職人が同じ10の質問に答えていく一問一答インタヴューシリーズ、今週もお楽しみください!!!

Q1:ワイン造りを一生の仕事にしよう、と決意したきっかけは何ですか?
⇒ワイン造りには若いころから強い興味を持っていたのだけど、いざ一生の仕事を決めるときになると、醸造の仕事か工業系エンジニアのどちらの道に進むかやっぱり迷ったね。まずはエンジニアの仕事、次にワイン造りと両方の仕事を経験してみて、最終的にワイン造りの方に落ち着いた、というわけだよ。

Q2:これまでワインを造ってきて、一番嬉しかった瞬間は?
⇒醸造家としての人生には幸福な瞬間が次々に訪れるものなんだけど・・・やっぱりロバート・パーカーのワイン・アドヴォケイトで100点を貰った時は特別だった。そして、2004年にイタリアの専門誌で「ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたとき。
僕の仕事はいつも楽しく幸せなのは、ワイン造りに必勝法や絶対の決まり事が無いから、だと思うんだ。自分の知見・経験からいくらでも結果を変えていくことが出来るからね。

Q3:その反対に、一番辛い(辛かった)ときは?
⇒それはやっぱり、2014年ヴィンテージみたいに、自然が僕に挑戦をしてくる時だよ 笑
ころころと変わる予測不能の自然を前に、自分のベストを尽くすのはまさに挑戦。最悪の時は、一瞬の嵐が一年間の全ての仕事を台無しにしてしまうこともある。醸造家にとっても、そして僕たちのワインを毎年楽しみに待ってくれている人たちにとっても最大の不幸だ。

Q4:ワイン造りで最も「決め手になる」のは、どの工程だと思いますか?
⇒栽培醸造家なら誰もが同じことを言うと思うのだけど、結局は素晴らしいブドウを造ることが最も重要。醸造家の最重要タスクは、収穫できたブドウの状態を解析し、醸造のプロセスを決める事だけなんだ。
その中で特に大切なのは、やはり発酵の過程・・・ここが僕たち醸造家が最大の決断を求められるパートだ。白ワインでは搾汁の度合いを、赤ワインでは果皮の浸漬度合いやポンピング・オーヴァーが大事。つまり結局は全ての細かいプロセスがワインの出来に影響を与えるから、全部決め手になる工程、ということだね 笑

Q5:あなたにとっての「理想のワイン」とは?
⇒僕にとっての理想は「その産地を代表するワイン」と呼ぶにふさわしいワインであることだね。僕たちの土地「アルト・アディジェ」ならば、それはつまり優しく繊細で上品、誰にでもどんな時でも飲みやすくあることだと思う。
そして何よりも・・・飲んだ人の心に爽やかな風を吹かせるようなワインだ。

Q6:今までに飲んだ中で最高のワインを1本だけ選ぶとしたら?
⇒1本だけは選べないから、4本ほど選ばせてもらうよ。
『シャトー・ラフィット・ロートシルト 2010年』:信じられないほどの深みと、物語のような展開。
『アルマン・ルソー シャンベルタン・グラン・クリュ 1996年』:ブルゴーニュのエレガンス、その極み。
『ペンフォールド グランジ 2008年』:凝縮・集中・深み。そしてその中にあって衝撃的な程のジューシーさ!
『ジャコモ・コンテルノ バローロ・リゼルヴァ・モンフォルティーノ 2010年』:永遠に終わらないかのような余韻、そして粘るような強さの中にあるエレガンス。・・・4本どれも、絶対に忘れられないワインだ。

Q7:自分のワインと料理、これまでに一番マリアージュしたと思った組み合わせを教えてください。
⇒人生のベストマリアージュは・・・サフランのリゾットに合わせた『ヌスバウマー・ゲヴュルツトラミネール』!息をのむような素晴らしいペアリングだった。

Q8:もしあなたが他の国・地域でワインを造れるとしたら、どこで造ってみたいですか?
⇒選ぶのが難しい質問だね!
だって、世界中どこのワイン産地だって、その場所ならではの素晴らしいポテンシャルがあるから・・・。敢えて言うならば、ニュージーランドかタスマニア。アルト・アディジェと類似する冷涼な気候の場所で、同じようにエレガントで気品あるスタイルのワインを造ってみたい。面白そうなチャレンジだな・・・夢が膨らむよ!

Q9:あなたの「ワイン造り哲学」を、一言で表現してください。
⇒「素晴らしいワインとは、その土地ならではの魅力的な個性を正しく反映していて、同時に飲んでいてとても心地よく楽しいワイン」。

Q10:最後に・・・日本にいるあなたのワインのファンに、メッセージを!
⇒あなたがもしもまだアルト・アディジェのゲヴュルツトラミネールを発見していないのだとしたら、とにかく今すぐに飲んでみて欲しいな。
何故ならあなたたちが住む日本の食文化・料理以上にこのワインに合うものは世界中どこにも無いから。日本の食文化は、エレガントで同時に力強い。まさに、僕たちのワインと同じなんだ!

・・・ヴィリー・シュテルツさんへの一問一答インタヴューは、以上です。
如何でしたか??
非常に丁寧に答えて下さり、訳している間とにかく一言一言に強く共感を覚えました。

『トラミン』のワインの素晴らしいところはとにかくその「品の良さと繊細さ」・・・
そのピュアに透き通ったようなきれいな造りは、個性で推してくるイタリアの土着品種系ワインとちょうと対極にあるようなエレガントスタイルです。

≪Firadis WINE CLUB開業からこの5年間、トラミン一番人気はずっとこの『ピノ・グリージョ』でした!≫

トラミン・ピノ・グリージョ 750ml(イタリア アルト・アディジェ産辛口白ワイン)

           

『トラミン ピノ・グリージョ』
(イタリア / トレンティーノ・アルト・アディジェ州産白ワイン
ブドウ品種:ピノ・グリージョ100% 熟成:ステンレスタンク熟成)

 

≪繊細できれいな、北イタリアのエレガント・ピノ。2,000円台半ばで!!≫

『トラミン ピノ・ネロ』 
(イタリア / トレンティーノ・アルト・アディジェ州産赤ワイン
ブドウ品種:ピノ・ネロ(=ピノ・ノワール)100% 熟成:大樽&バリック&ステンレスタンク併用)

 

≪北イタリアの白ワインマスターが、「シャルドネ」を造ると・・・こんな素晴らしい1本が。≫

『トラミン シャルドネ』
(イタリア / トレンティーノ・アルト・アディジェ州産白ワイン
ブドウ品種:シャルドネ種100% 熟成:ステンレスタンク5か月熟成)

 

≪瑞々しいドイツ系品種の白・・・これからの季節に良く冷やして楽しみたいタイプの1本です。≫

『トラミン ミュラー・トゥルガウ』
(イタリア / トレンティーノ・アルト・アディジェ州産白ワイン
ブドウ品種:ミュラー・トゥルガウ種100% 熟成:ステンレスタンク5か月熟成)

 

≪ロワール、ニュージーランドに並ぶ「きれいなソーヴィニヨン・ブラン」が、北イタリアに。≫

『トラミン ソーヴィニヨン・ブラン』
(イタリア / トレンティーノ・アルト・アディジェ州産白ワイン
ブドウ品種:ソーヴィニヨン・ブラン種100% 熟成:ステンレスタンク5か月熟成)

 

≪ライチや桃を想わせる個性的な香りで人気の品種、ゲヴュルツトラミネール!≫

『トラミン ゲヴュルツトラミネール』
(イタリア / トレンティーノ・アルト・アディジェ州産白ワイン
ブドウ品種:ゲヴュルツトラミネール種100% 熟成:ステンレスタンク熟成)

 

≪これがトラミンのフラッグシップ!ゲヴュルツの「究極バランス」ここにあり。≫

『トラミン ヌスバウマー』
(イタリア / トレンティーノ・アルト・アディジェ州産白ワイン
ブドウ品種:ゲヴュルツトラミネール種100% 熟成:ステンレスタンク11か月熟成)

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!
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